『銀河英雄伝説』は組織論を学ぶのにピッタリ！

おはようございます！
高校教員のたこぽんです！

『書く習慣』1ヶ月チャレンジ15日目！
今日のテーマは「誰かにおすすめしたい本・映画・アニメ・ドラマ」です。

私のオススメは『銀河英雄伝説』です。
『アルスラーン戦記』などを書かれた田中芳樹さんのデビュー作です！

全10巻構成で、第1巻の出版が1982年。
私は1985年生まれなので、私の生まれる前の作品なのですが、全く色褪せず、現在でも面白く読むことができる小説です。

『銀英伝』との出会い
『銀英伝』の好きなシーン
アニメ化もされています！

『銀英伝』との出会い

そんな私が生まれる前に出版された小説にどのように出会ったのか？
それは学生時代に出会った部活の先生からの勧めでした。

翌年からの部長候補だった私に冗談めかした感じで
「女性部長だったら『ガラスの仮面』、男性部長だったら『銀英伝』（銀河英雄伝説の略）が必読だよ。
組織について理解することができる。」
と言われたのをきっかけに、読み始めました。

『銀英伝』はSF小説で、架空の大国「自由惑星同盟」と「銀河帝国」との戦争の間の、2人の英雄の話です。
SF小説ということで、宇宙艦隊同士で戦争をしあうのですが、荒唐無稽な話ではなく、非常に現実的なタッチで描かれます。

舞台はSFなのですが、やっていることは現実的な国家間の政治劇であり、それらを取り巻く個々人の感情など群像劇的に描かれていて、面白い作品です。

『銀英伝』の好きなシーン

自由惑星同盟はその名の通り「民主主義」国家です。
しかし、政治家たちは自分たちの支持率を上げるため民衆を煽動し、銀河帝国との戦争を継続しています。
戦争の長期化によって経済は疲弊し、国家は衰退。
いわゆる、腐敗した民主主義国家なのです。

対して、銀河帝国は、貴族たちの支配する「専制主義」国家。
貴族たちが、庶民たちを戦地に駆り出して戦争を継続。
自分たちは利益を貪り、現状にあぐらをかいて、自由惑星同盟との戦争を継続。
こちらも腐敗した専制主義国家です。

2つの国の戦争が長期化する中で、銀河帝国にラインハルトという軍人が現れます。
彼が1人目の英雄（主人公）です。
彼は類まれなる軍事の才能によって自由惑星同盟との幾つもの戦闘に勝利。
さらに戦略家の才能によって、腐った貴族たちを一蹴します。
その結果、銀河帝国皇帝に就任し、軍事も政治も掌握。
民衆からの指示もあつい完璧な「独裁主義」国家として銀河帝国を建て直します。

もう1人の英雄（主人公）が自由惑星同盟所属の軍人ヤンです。
彼は平和な時代の歴史家になるのが希望だったのに、ひょんなことから軍人になってしまいます。
さらに彼は戦術家としての才能があり、どんどん武勲を立てます。
そして、戦場でラインハルトとも何度か戦うのですが、最終的にはヤンが戦術的勝利を重ねます。

しかし、ヤン自身は民主主義国家の中の軍人なので、政治には口を出さないポリシーを貫きます。
その結果、戦術として局所的にはヤン個人が勝利しても、戦略や政治全体としては自由惑星同盟が敗北していってしまうわけです。

物語の中で、ラインハルトとヤンが対話をするシーンがあります。
ラインハルトがヤンに対して

ラインハルト「お前（ヤン）は能力もあるのに、民主主義の軍人として、腐った政治家の指示に従っている。
嫌だとは思わないのか？私に仕えないか？」

と質問するシーンがあります。
私は、このシーン大好きです。
この質問、まさに

腐敗した「民主主義」国家VS完璧な「独裁主義」国家、どちらがいいのか？

という問いなんですよね。

この辺り、ちょうど部活運営に悩んでいた私にはすごく突き刺さる質問でした。
部長としてみんなの意見を聞くことは大事。
でも、みんなの意見を聞きすぎてしまうと、なかなか前には進まず、腐敗した民主主義になってしまう・・・。
部活を発展させていくためには、部長にある程度権力を集中させて独裁主義的にやって行った方がいいのか？

部活運営では、必ずこの「とりあえずサークルノリで楽しもうぜ勢」と「ガチで練習しようぜ勢」に分かれます。
この時にどのように考えるべきなのか？
それを学ぶことができたのが、私にとっての『銀英伝』でした！